抱っこ紐のバックル外し問題について(5)

前回の続きです。


対策4:リュックを背負う

リュックを背負うことで背中を隠し、バックルを守ろうという対処法ですが…

これにもやはり問題点がありますので、ひとつずつ洗い出していきたいと思います。




問題点【隠れない】

これ、実際にやってみるとわかりますが、バックルをリュックで隠すにはいくつかの条件が発生します。

まず、バックルの位置が低いこと。

そして、リュックがそれなりに大きいこと。

最後に、そもそもリュックを背負える状況・環境であること。

(背負う体力があり、狭いバスやエレベーター、エスカレーターでない等)

これらの条件を満たせば、バックルをリュックで隠すことは可能です。

しかし、まさにこの条件にこそ問題があるのです。


まず、ほとんどのママさんは、バックルの位置が高いという点が挙げられます。

なぜこうなるかというと、抱っこ紐を自分一人で装着する際、バックルは高い位置、うなじのすぐ下ぐらいの位置でないと取り外しの動作がやりづらいからです。

だからもうはっきり言って、世のママさんの90%以上は、この位置にバックルがきています。

メーカーが推奨している本来のバックル位置は、背中の中央あたりですが、そこは本来一人では両手が届かない位置なので、取り付けるにはちょっとひと手間が必要です。

従って、メーカーが推奨する通りにしっかり装着している人は、実はごくわずかです。

私も外出先でママさんを見かけるたびに、それとなくチェックしてみました。

公園や西松屋やアカチャンホンポ等へ行くたびにママさんたちのバックルをガン見し、これまでにざっと200人は見てきたと思いますが、背中の中央でバックルを留めていたママさんは体感で3%以下でした。

ちなみに正しい装着方法は、まずワキの下から赤ちゃんへと伸びている肩ストラップを左右共に長めにゆるめておいて、それからいつも通りに首の下のあたりでバックルを留めます。

そうして左右の肩ストラップの先を引っ張って、徐々に、均等に締めていき、赤ちゃんとママがちょうどよい抱っこバランスになったらストップ。

そうすると背中のバックルも徐々に背中の中央のほうへ降りてきて、ちゃんと正しい位置におさまる、というわけですね。

そして余った紐はくるくるまとめて付属のゴムで留めるか、あるいはもうだらーっとぶら下げておく感じです。


ただ、私としてはそんなもん、めんどくさくてイチイチやってられるか!って話ですがw

ワンオペでクソ忙しい時にそんな悠長なことやってられねー!というのが本音ですが、その点は皆様同意見なのではと思います。

なのでほとんどのママさんは、肩ストラップの長さは固定しっぱなし。

よほどサイズが合わなくなった時以外、一度調節したらそうそう動かさない。

装着時は腰と背中のバックルだけでカチリ!

というふうに使用しているケースが多いのではと思います。



話が逸れましたが、とにかく日本中のママさんのバックル位置がうなじの下あたりである以上、全員リュックを背負ってバックルを隠せというのは無理な注文だと思います。

そもそもうなじのあたりまでしっかり隠れるリュックもなかなかありませんしね。

普通の登山用ザックでさえ、うなじの下あたりは露出しますし、本気で隠すとなると、かなり大きなリュックを背負わなくてはなりません。

ちなみに一般的なママリュックはだいたいこのぐらいのサイズです↓

やはりうなじの下あたりは露出しますね。

というかママリュックに限らず、レディースのリュックは小ぶりなものも多いし、それにトートバッグ派のママさんもたくさんいます。

そういう場合はたとえ背中のどこにバックルがあったとしても、結局露出してしまうと思います。

そして最も問題なのが、そもそも外出のたびにリュックを背負わなくてはいけないのか、という点です。

小さな用事でちょっとそこまで出かける時など、毎回必ず背負うとなると大変ですよね。

それに、混んでいる電車やバスなど、人の多い環境でリュックを背負い続けるのも厳しいものがあると思います。

大きなリュックを背負いっぱなしでいると、狭い環境では不快に思う人もいるでしょう。

そして、疑うのはよくないかもしれませんが、まさにそうやって不快に思う人の中にこそ、悪質なバックル外しの犯人がいるかもしれないと考えると、リュックを背負うことは、場合によっては敵を作ってしまいかねません。

そもそもバックル外しの被害は、スタスタ歩いている時ではなく、そのほとんどが公共交通機関やエスカレーター等で「立ち止まっている時」に発生しているのです。

そして立ち止まる必要がある場所でこそ、むしろ周囲に遠慮してリュックをおろし、手に持ち替えることも多いかと思います。

そうなると、犯人に対してバックルを無防備に晒してしまう形にもなりかねません。

かといって、意地でもリュックをおろさずに立ち続けるのもまた、鋼のメンタルが必要になります…。

これらを総合的に考えた結果、バックル外しをリュックで防御する案も、やはりイマイチだなあと思いました。

ただ、前回のブログに書いた「アウターで隠す案」や「カバーで隠す案」と同様に、この「リュックで隠す案」もイマイチとなると、もはや「隠す」という発想自体がちょっと厳しいものがあるのかも…という感じがします。

「隠す」以外で、何か新しい発想による画期的な対策が必要なのでは、と考えています。


【つばめ東京momの新商品開発課題】

・リュック、バッグ等に干渉せずに安全確保できること。


抱っこ紐のバックル外し問題について(6)へ続きます。

つばめ東京

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