抱っこ紐のバックル外し問題について(2)

つばめ東京MOM(マム)の永園です。

前回のブログでは、抱っこ紐のバックル外し被害への問題提起と、現在ネット上で共有されている主な対策についてご紹介しました。

そして、それぞれの対策を実際に試した結果、少しずつ見えてきた新たな問題点の存在にも触れました。

今回のブログからは、まずはその問題点について洗い出し、それぞれの課題を明確にしてみようと思います。

そうした上で、課題に沿ったものづくり、商品開発をしていこうというのがつばめ東京MOMとしての目標です。


対策1:バックルにゴムをかける。

上の画像はネットで広く拡散されているものです。

こうしておけば、バックルを外されてもゴムが伸びて耐え、バックル同士が完全に分離しないで済むだろう、というわけです。

この対策が、現在のところ最も広く共有されていました。


取り付け方法は以下の通りです。

まず、普通の輪ゴムではなく、強度の高い太めのゴム紐(輪っかになっていない状態)を買ってきて、それを任意の長さにカットします(実験の際に測るのを忘れましたが、10センチぐらい?)。

その強力ゴム紐を樹脂バックルとナイロンベルトの隙間のループに通し、そこで初めて輪っかに結びます。

結び目はできるだけ固く、ほどけないようにきつくしましょう。なにしろ赤ちゃんの体重を支えるわけですから。

そうしておいて、いつも通り普通にバックルを装着したあと、その強力輪ゴムを、バックルのオス側のでっぱりに引っ掛けます。これで完成。


では、次はこの方法の問題点を洗い出してみようと思います。




問題点その1【一人では着けづらい】

文字通りですが、これ、一人で着けるには難易度高めでした。

着ける時はもちろん、外す時もひと苦労でした。

なにしろ自分の背中側ですから、様子が見えず、手探りでやるしかないのです。

鏡を見ながらであれば、少しやりやすくなるかもしれませんが、でも抱っこ紐を装着する時にいつも鏡があるとは限りません。

外出先でワンオペの時などは、やはり大変だろうと思います。

バックルの位置を高くしている(首に近い位置にしている)ママの場合、慣れればサッと着けられ、外すこともできるのかなーと思いましたが、でもそれはそれで問題があることに気が付きました。

慣れてしまえば容易に着脱できる、ということは同時に、「慣れた犯人だと容易にゴムを外せてしまう」ということであり、危険がゼロになるわけではないということです。

それに、この対策が広く拡散された結果、犯人側もこれについて既に知っている可能性が同じように高まるわけです。

知っている人間からすれば、普通に指を使える成人なら、「ゴムを外す」という動作はさほど難しいものでもありません。しかも犯人にとっては背中側ではないわけだし。

ネットでは「さすがにゴムを外されそうになったら気付くから自衛できる」という意見もありましたが、はたして本当にそうかはイマイチ不安です。

引っ掛けてあるゴムをサッ!とひっぱられ、バックルをカチリ!と外されてしまう…

そんな可能性・危険性は残されています。決してゼロではありません。

そう考えると、この「着けづらい問題」の本質は、「知られてしまったら有効度が下がる」ことにあると思います。


【つばめ東京momの新商品開発課題】

・一人でも装着しやすいこと。

・認知度が有効度に影響しないこと。




問題点その2【強力ゴムの購入、工作が面倒】

何を大袈裟な…と思うかもしれませんが、忙しいママさんやぶきっちょママさんには大きな問題です。

強い太めのゴムを売っているところを探して、買って、切って、結んで、引っ掛ける。ただそれだけのことかもしれませんが、なんとなく面倒に感じてしまって、結局実践できないんですよね。

結局いつも通り、無防備なバックルのままお散歩へ…なんてママさんも多いようです。

実際私の周りにも、ゴムを使うこの対策のことを知っていても、実践はしていないママさんがたくさんいました。

バックル外し被害の話題になると「知ってる!怖いよねー」「ゴムを引っ掛ければいいらしいよ」「私もやっといたほうがいいよね」など、知識としては浸透してはいるものの…

結局次に会った時も、ママ友はみんな(私も含め)いつも通りバックルは無防備なままでした。

なんというか…言い訳でしかありませんが…家には普通のヘアゴムしか無くて、強力ゴム紐が無くて…だから買わなきゃいけないんですが、そもそもその時間が無いというか…

あと、切って使う普通のヘアゴムの結び目さえすぐにほどけちゃう私としては、「赤ちゃんの体重を支える」ぐらいきつく・固くゴムを結ばなくては!という気負いもまた、実行を遠ざけてしまったというか…

そんなわけで「探して、買って、切って、結んで、引っ掛ける」というのは、やっぱりハードルが高いように感じられちゃったんですよね。

とはいえ最終的には、私も一念発起して実践・実験しましたが、でも今も無防備なままのママさんたちの中には、私と同じようになんとなく腰の上がらない方もいらっしゃるのではと思います。


【つばめ東京momの新商品開発課題】

・容易に購入できること。

・工作等が不要であること。




問題点その3【イマイチ不安】

不安要素はいくつかありますが、まずは単純に「赤ちゃんの命をゴム一本に預ける」という感覚が不安といえば不安…と感じてしまいます。

この感じ、なんとなく共感してくれるママさんもいらっしゃるんじゃないでしょうか。

ネットでは「ゴム一本で赤ちゃんを守れる!」という点に賞賛の声も多かったのですが、しかしそれは同時に「ゴム一本で…?」という不安にも直結するのでは…と思うのです。

お手軽なのはいいんですが…上の項目でも述べた通り、犯人にとっても簡単な仕組みである点が不安ですし、それに自分で結んだ結び目がほどけてしまわないかという不安や、さらに赤ちゃんの体重を本当に支えきれるのかという不安も…

全部まとめてとにかくイマイチ不安!というのが正直な感想です。

というわけで、ゴム紐で防御する案は、準備も着脱も私には難易度が高いように感じました。


【つばめ東京momの新商品開発課題】

・強度を実感、実証できること。

つばめ東京

ものづくりサークル「つばめ東京」のHP。 木工・鉄工・レザークラフト・洋裁etc… なんでもやってみる趣味人の集まり。